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控え室用のワゴン車をすっ飛ばして戦場にあがる男が三人。
……あれ?三人?
「なー、ヅンヅン。勝負の前にちょっと言ってもらいたい言葉があんだけど」
どこへ行ったのかと思ったらここにいたのか朔夜。
馴れ馴れしくも杉原先輩の肩に手を回してなにやら神妙な顔つきになっている。
「あー?なんだよ?降参とかか?」
「ちげぇよ。『この戦いが終わったら結婚するんだ』って言ってほしいんだっつーの。心配すんな、他意はねぇから」
いったいなんのつもりなんだ、こいつは?
本当に考えの読めない奴だ。
「なんだそりゃ?それを言ったらどーなんだよ?」
「なんと、あんたの憧れの山城さんと結婚でき……」
「この戦いが終わったら結婚するんだ」
俊足。さらに瞬速。
朔夜が言い終える前に言っていた。
山城さんと言うと、昨日屋上で言っていた杉原先輩の好きな女性か。
「おー、夕闇!今、あんたの勝ちが決まったぞ。このヅンヅン、自ら死亡フラグ立てやがってんの」
お前が立たせたんだろ。
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