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杉原先輩を指差して大爆笑する朔夜に呆れながらも苦笑する。
こいつなりに、僕のことを心配してくれたんだろう。
不器用な奴だ。恭也と言い、お前と言い。
「結婚できるわけねーだろ!俺ちょっと、山城さんにあんたの悪口言ってくるわ。試合中に言ってくるから集中できねーかもな、ウハハハ!」
違った。
ただ、自分の遊び相手を探していただけだ!!
不器用とかそれ以前の問題だ!!
「ま、待て神崎!なんてひどい奴なんだこの嘘つきが!!」
「おいおい、誰を捕まえて嘘つきなんてイチャモンつけやがってんですかあんたは?さっきの戦い見てた?俺は滅茶苦茶嘘つきだぞ?」
素面で堂々と嘘つき宣言。
ここまでくれば呆れてものも言えない。
なんと言うか、こいつはもう引っ込んでろ。
「朔夜、帰れ。邪魔だぞお前?」
「りょーかい、りょーかい」
肩をすくめて朔夜が杉原先輩に背を向ける。そして───
「……気をつけろよ、リーダー。ありゃ、マジで恭さんクラスの化物だ」
───と、すれ違いざまに呟いた。
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