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なにはともあれ、戦場で僕達が向かい合っている以上、これ以上はふざけていられない。
僕の能力が無効化されるのは酉の刻(午後七時)が過ぎてからだとして、どうやらあと十分は耐えなくてはいけないらしい。
まったくもって、考えものの能力を受け継いでしまったものだ……。
なんて、思案にふけながらも僕の顔に張り付いた笑みは剥がれない。
《No name》で一見、一番まともだと思われている僕だが(多分)、高校入学前には恭也とやり合った過去もある。
朔夜の心配は嬉しいけど、どうやら御門違いのようだ。
あまり嬉しくないことに、
僕も戦闘狂の気があるらしいからね。
猛禽類を連想させる獰猛な嗤い。
先程から周りの音がほとんど聞こえない。
すなわち、精神統一。
確かに、僕は開校以来の落ちこぼれで底辺には違いないと自分でも自覚はしている。
だけどそれはあくまで、勉強の方面について、だ。
多くの人は誤解しているみたいだが、僕は中々に強い。
それも、恭也に笑わせないくらいには。
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