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「はん、てめーにゃ悪いが、俺たちにも野望があってな。こんなところで小石につまずいてなんかいられねーのよ」
刹那、空中を蹴る先輩。
「……?」
なにをしている?
思考する僕の頭部が突如、激痛に見舞われた。
「うあ、が!?」
恭也の話しでは今までの対戦相手を五分と経たず倒してきたらしいが、なるほど。
確かに、ありえない場所からの突然の攻撃では対応しきれるわけもない。
部分的なテレポート?
いや、違う。
思い浮かべた答えは即座に否定する。
テレポートじゃない。もっと別のなにかだ。
古市の調べたレポートには杉原先輩の能力についてほとんど記入されていなかった。
それはつまり、
なにが起こっているのか誰も理解できない速度で、
誰も気付けないうちに決着がついてしまうからだ。
「ほっほー、驚いた。大抵は今ので意識がブラックアウトすんだけどなー。
どーもてめーは打たれ強いみてーだ。おーけー、なんなら下手に加減はしなくても済む」
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