夕闇夕VS杉原剣

20/27
前へ
/482ページ
次へ
ゾッとした。 走るのは悪寒、向かうのは敵意、狙うのは殺意。 これは、やばい!しかし……遠距離では一向に消耗するだけ。 ここは攻めるしかない!! 両手で頭部を庇いながら、震え始めた足を動かして、特攻する。 「おーい、おい……。それで俺に反撃できるつもりか?」 こちとら、父さんと凪さんに護身術を叩き込まれた身だ。 朔夜には劣るが、相手の攻撃を読むことならできる! しかし、そんな小さな自信は即座に圧し折られる。 杉原先輩が、砂を蹴り上げた。 一瞬、視界を奪われる。 だが問題ない。杉原先輩の位置、構えから見て次の攻撃はある程度予想できた。 あとは、ただタイミングを合わせるだ…… ゴッ!! 脇腹に衝撃。 次いで、空中に放り出された。 ……──足技? 地面に倒れながら、蹴りのモーションを終えた先輩を睨む。
/482ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4038人が本棚に入れています
本棚に追加