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ゾッとした。
走るのは悪寒、向かうのは敵意、狙うのは殺意。
これは、やばい!しかし……遠距離では一向に消耗するだけ。
ここは攻めるしかない!!
両手で頭部を庇いながら、震え始めた足を動かして、特攻する。
「おーい、おい……。それで俺に反撃できるつもりか?」
こちとら、父さんと凪さんに護身術を叩き込まれた身だ。
朔夜には劣るが、相手の攻撃を読むことならできる!
しかし、そんな小さな自信は即座に圧し折られる。
杉原先輩が、砂を蹴り上げた。
一瞬、視界を奪われる。
だが問題ない。杉原先輩の位置、構えから見て次の攻撃はある程度予想できた。
あとは、ただタイミングを合わせるだ……
ゴッ!!
脇腹に衝撃。
次いで、空中に放り出された。
……──足技?
地面に倒れながら、蹴りのモーションを終えた先輩を睨む。
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