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まるで斬撃。
それこそ、獲物で殴打されたような痛みだ。
「あぐっ……?」
脳を揺らされたせいか足取りが覚束ない。
「よー、まだ生きてんだろ?」
戦慄。
確実に来ると確信ができる追撃に備えて身を固める。
敵との距離は2・3メートル。
まだ、攻撃までにタイムラグがあるは……ず?
ゴッッッ!!!
ふたたび斬撃。
今度は側頭部を容赦なく殴打された。
ドロップアウトしかけていた意識が強制的に覚醒させられる。
しかしそれだけで終わらせてくれるほど甘くはない。
───と、思ったのだが何故か、追撃はこない。
「あーあー、すんげー流血してんじゃねーかおめー。ここらで降参しとくか?神崎みてーによ」
カラン、といつの間に握っていたのか、角材を放り捨てながら先輩は笑って言う。
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