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「あー、そうだ、不自然な点と言えばもう一つ」
「不自然なんて単語一瞬足りとも出てきてねぇけどな」
「基本的に自身にしか干渉できない超能力と違って、むしろ逆に他者および無機物に干渉するのが陰陽術だったよな?」
「テメェ、めちゃくちゃ知ってんじゃねぇか」
「何度か道場に来てる常連さんにそーゆー関連の人がいんだよ。で、さっき空中になにかしてたけど、あれはなんなんだ?」
(だったら初めっから訊いてくんじゃねぇよ、阿呆が)
「だから、あれがあいつの能力だよ」
「……あー、確か前にもチョロッ、と言ってたな。《文字使い》とか。ん?それが弱くなる能力とどー繋がんの?」
「ハッ、テメェも案外バカだな。あいつはあいつ自身に能力を使ってんだよ。身体能力、洞察眼、視力、その他諸々をすべて、《封印》してるらしいぜ?定期的にな」
「はぁ?何でそんなことしてんだよ?マゾなのか?」
「よく知らねぇけど、俺様とケンカして負けたときに修行とか言って、午後七時以降以外はいつものダメガネモードになってんだよ。
あぁ、ちげぇな。元々がダメガネだ。あの“馬鹿丸出しモード”は戦闘体勢」
「はっは~ん、いつでもできたモードを制限したのか」
「そうだ。ちなみに、制限してた時間が長ければ長いほど、野朗のちからはあがってく」
「……そりゃ、嬉しい誤算だ」
「ハッ、同感だ……」
「「まさか、ここまで動けるとはな」」
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