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改めて……───
敵はかなりの手垂れ。その証拠に、儂の変貌っぷりを見た瞬間、儂から距離をとった。
言い様のない悪寒が走る。
ふむ、この状態でも敵の方が一枚上手……。
しかも……───
それを御自ら重々に承知していながら、尚も慎重に動くか。
「手強いのぉ」
呟き、筆を右手から左手に持ちかえる。
「はん、おもしれー。二重人格かよ?」
「愚弄するなよ、小僧?」
表情が険しくなったのは一瞬。
しかし、すぐにいつもの飄々とした杉原に戻る。
「いー面だ。……おもしれーチームだよてめーら。パワータイプの柴に、スピードタイプの神崎、そんで、テクニックタイプのてめー」
いや、神崎はテクニックタイプなのか? と後付けするように首を傾げる。
「なんにせよ、バトルロワイヤルで、てめーらと戦いたかったっつーのも少しある」
「むぅ、あの荒くれ者どもが素直に共同戦線を張れるとも思えぬがな」
自然、必然的に眉間にしわがよる。
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