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「ガハハハハ、ちげーねー。俺でもあいつらをまとめる自信なんかねーよ。我が強すぎて連携なんかとれやしねー」
───と、豪快に開いた閉まりのない口を閉ざし、小童はとても興味深いことを呟いた。
「だから、逆に見てみたくはあるな、テメーらのそーゆー試合を」
ふむ、一抹の不安は大いに拭えぬが同感じゃな、と儂は頷く。
対し、小僧は楽しそうに笑って両手を広げた。
「だがまー、残念なことにてめーらはここで終わりだ。夢も未来も理想も幻想も、わりーが俺が粉々に砕いてやるよ」
ハッタリなどではない。
真に強者の言葉。
それ故に、その言葉の持つ圧力は大きい。
それ故に、その言葉の持つ意味は深い。
現状の儂に勝機は薄いであろう。だがそれがどうした?
儂を信じ、己の誓いに背いた男の為にも、
仲間を愚弄されたことに幼い感情を爆発させた男の為にも、
ここで儂が負けてもいい理由(言い訳)なぞ万に一つもない。
構える筆に力がこもる。
「よかろう、来い。儂がただの噛ませ犬ではないことを存分に教えてやるぞ!!」
宣言と同時に、地面を蹴りだした。
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