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「うっ、オオおおぉォォおおおオオおオォォおオおおお!!!!」
叫びながらも、まるで砲弾のようじゃ、と儂は自嘲気味に思案しておった。
頭上で、がはっ、と空気の漏れる音が聞こえたが、すぐさま風に掻き消される。
強力すぎる、体当たりだった。
しかし元の位置よりも10メートル近く吹き飛ばされた杉原は得意の足技を応用でもしたのか、それでも倒れ伏すようなことはなく立っている。
化け物め。
苦い呟きじゃ。
だが事実、奴は今の攻撃で“受けるはずだった”地面に激突するダメージを未然に防いだのだ。
しかし、と儂は顔を上げる。
今の一撃は大きい。
「ハッ……ハッ、……くぅ。がはっ、ごほ……っ!」
辛そうに胸を押さえて咳き込む敵の姿を視認しながら、儂は思わず微笑んでしまう。
恭也の言うてた通りか。
油断禁物。
格下に追い上げられると焦る。
焦ると本来の動きが出せなくなる。
だからそこを突け。
それが、最大の武器!
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