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声が聞こえた。
ゾクリ、とまるで雷でも走ったかのような勢いで悪寒が体を行き渡る。
コレハ危険、逃ゲロ。
電気信号のように本能が告げる警告音。
足が薙ぎ払われた。
傾いた体を、がら空きになった脇腹を蹴り上げられる。
刹那、襟をつかまれて静止させられ───、
「巴投げってのは、確かこんな感じだったよな?」
体を引き寄せられてから一瞬の時間も置かずに胴体を蹴り飛ばされた。
「がふっ」
肺から空気が漏れる。
投げ出されたのは空中。
頭が地面に向いている。
まずっ────!?
瞬間、自由落下が始まった。
筆を走らせる時間さえもない。
まさしく一瞬のうちに、地面が眼前に飛び込む。
「ぐっ、おおおおお!!」
一瞬、腕の骨折さえも覚悟したのだが、
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