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マテリアルは数。
キャンパスは無色。
顕す字は《一》。
「歯ぁ食い縛れ」
今度は儂がその台詞を口にする。
刹那、横一閃の一太刀が彼奴の負傷した右腕を再度薙ぎ払った。
「ぐあっ!?」
痛みを堪える杉原から離れてもう一度筆で書き顕す。
幸いにも、マテリアルは敵が用意してくれた。ここで叩き潰す!
マテリアルは血。
キャンパスは右腕。
顕す字は《鉄》。
右腕が硬直していくおぞましい感覚に震えながらも冷静に杉原の姿を確認する。
マテリアルにした血の量から推測するに効力はわずか一分にも満たないであろう。
しからば、彼奴を討つ機会は今しかない!!
利き腕を負傷した敵に目掛けて足を振り出す。
一気に距離を縮めて右腕を振るった。
「ぬがっ!!」
しかし、杉原はそれをなんと負傷した右腕で防ぐ。
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