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さらに、ガードをされて一瞬動きの止まった儂の膝に杉原はローキックをかました。
ガクン、と視界が急降下する。
しもうた……。
後悔するのは一瞬。地面に膝を着けながらも体重の乗り切らない右拳を敵の丹田に叩き込む。
───が、そこで倒れるような男ではなかった。
「あめーよ」
声と同時に、杉原の姿が再度常闇に吸い込まれる。
「まずい!!」
同時に、強烈な威力のなにかが儂の頭に暴発した。
ぐはっ……気配の無い攻撃なんて警戒のしようもないではないか!!
どこに攻撃かくるかもわからないのに、身構えれるはずもなく、儂の体がもう何度目か地面に触れる。
触れると同時に、脇腹に鋭い痛みが走り、無様に転がった。
「はぁはぁ……もーいーよな?」
息切れさえするもの、その声に疲労は感じられない。
やはり、化け物。
「ここで、終わりだ。てめーらの夢はここで死ぬ。だがまー、安心しろ。俺たちの野望の礎(いしずえ)にしてやっからよ」
後半は、ほとんど聞こえなかった。
否、聞いていなかった。
「安心できるわけねぇだろ!!」
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