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「妥協案なんて出すな!降参なんて推薦するな!チームの事情なんて優先するな!!
ここに儂とお主が向かい合って立っている。それだけが全てじゃ!互いに全力で殴りあうのに、自分以外を言い訳にするんじゃねぇ!!!」
あぁダメだ。
なんかもう、止まる気がしない。
「見損なったぞ、小童。儂はお主に一目置いておった。
少なくとも、敵に妥協案を提供するような輩だとは微塵にも思っておらんかった」
「へー、そりゃ見当違いだ。俺ぁ、そんな大層立派なもんじゃねーよ」
「喧しい小僧。最早言葉など要らぬ。それは御自ら理解しておることであろう?」
「……はん、いーねー」
ニヤリ、と猛禽類を思わせるような獰猛な笑みを杉原は浮かべた。
「サイっコーだぜ、おめー?いやいや、ほんっとサイコーだよ。マジで良かった……てめーらみてーのが最期の相手で」
最期の相手?
「おいおい、おめーからふっかけてきたんだ。なに呆けてんだよ?
最終決戦といこーじゃねーの。先にゆっとくけど、こっからは手加減じねーぞ?」
途端、全身の肌が隈なく粟立った。
手加減を……していたのか。いや、なんとなくはわかっていた。
それでも、この瞬間にそれを宣言されるということはどうしてこうも大きな圧力がかかるのだろう。
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