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ゴキリ、と杉原が首を鳴らす。
刹那───音が、消えた───。
来る!
右の親指を噛んで血を出しながら筆を走らせる。
マテリアルは血
キャンパスは体。
顕す字は《鉄》。
一瞬でもガードしなくては!!
ガッ!!
足元の何も無い空間から、なにが放たれた。
嘘であろう!?一瞬とは言え、今まさに鋼鉄化しておる儂の体を蹴り上げた(恐らく)のか!?
それだけに止まらないのは最早経験則。
なんと、空中に浮いているはずの儂の頭上から、杉原が現れた。
───両手を組んで、ハンマーのように振り下ろしながら。
胸骨に振り下ろされた鉄槌。
メキリ、と嫌な音とともに激痛が走る。
「あー、いってー。これもー右手は完全につかいもんになんねーな」
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