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でも、と付け加える。
「おめーの腕も封じたしおあいこだろ」
迂闊じゃった……！！
胸骨に受けた打撃は左腕にもビリビリと伝わっていた。
思うように動かせん。
いや、そこまで大袈裟なものではないが少なくともスピードは格段に落ちる。
それ以上に、呼吸困難だった。
胸を押さえて膝を着く。
ヒューヒュー、という不快感を募らせるような音が喉もとから出て行く。
「立てよ、眼鏡。さっきまでの威勢は一発で萎えるほどのもんなのか？んなつまんねーもんじゃねーだろ、てめーは？」
そうじゃな……。そんな者ではない。
儂とて、理由もなく動かぬわけではあるまいよ……。
待っておるのじゃ。お主がこちらに向かうのを。
罠。
戦いの初めに儂が書いたまま発動さえなかった（正確にはまだ、発動できなかった）一つの文字がそこで大口を開けて待っているのだ。
一日に一度の制約で縛られた大技が！
「マジかよ？マジでそのてーどなのかてめーは！？ふざけんじゃねーぞ！見せてみろよ、てめーの本気を！！」
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