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「反則じゃねーか!!なんだよそれ!?」
杉原が敏感にこれの危険性を察知したのか、逃げるようにその場から離れて叫ぶ。
知ったこっちゃない。
貴様を討ち取れるなら、これで終わりにする。
《天洞菩薩》に儂の意思など関与できない。
それ故に、限界を突破してもまだ空気を吸収しようとする。
「風船みたいなもんじゃよ」
儂の呟きに、杉原が顔面を蒼白色に変えた。
そう、風船じゃ。割に合わない空気を吸い込もうとする、ゴムが千切れそうになるほど張り詰めた、
そんな風船(爆弾)。
文字の出現から中々目覚めない文字の一つが《空》だ。どういうわけか、時間を大分置いてからではないと不発で終わってしまうという代物らしい。
わざわざ廃墟の中に入らなかった理由はこれにある。
屋内でこんなものを使えば間違いなく大惨事になるからじゃ。
しかし、屋外ならば、関係ない。
喰らえよ杉原?これは恭也ですら受け切れなかった大技じゃ。
刹那、空が破裂した。 と、同時に、儂も吹き飛ばされた。
そうじゃった……。これ、コントロールできないんじゃったわ。
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