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視界がごちゃごちゃになる。
これ、観客にも被害でてんじゃね? と思ってしまうほどに凄まじい爆風だった。
「こ、これはどーなったことだYO!?決着か?決着ついたのか!!?」
いまだ意識は定まらぬし、自分がどこにいるのかもわからないが、決着はまだついていないだろう。
そもそも、彼奴ならばノーダメージとまではいかなくとも軽減させるくらいはお手のものじゃ。
「おぉっと!?瓦礫の中から誰かが出ようとしてるYO!杉原か!?」
ぬぅ、まずい。儂はまだ動けぬぞよ……。
視界が捕える横転した廃墟。
どうやら自分はそこいらの土の上に投げ出されているらしい。
カラン、となにか無機質のものが転がる音がした。
観客がどよめく。
刹那、瓦礫の中から何者かの腕が飛び出てきた。
杉原……。
そのまま、もう一本の腕も出る。期待を裏切ることもなく、それは杉原剣その人であった。
「やっべー、肩脱臼してんぞこれ」
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