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いつもの調子で適当に喋る杉原の姿を尻目に、小さく嘆息する。
まったく、なんて嫌な相手じゃ。
元々この戦闘では使えぬ右腕を完全に生贄にしたか……。
「おー、眼鏡。てめーもやっぱ生き残ってたか。つーかてめーの技で負傷ってだせーもんな?」
いままさにてめーの技で動けないんですけど……。
本気で調子に乗った。わざわざあんな大技見せびらかして説明するんじゃなくてさっさと逃げてればよかった。
なにをやっておるのじゃろう儂?まぁ、一時のテンションに任せて大失態することは誰にでもあることじゃよね?
いや、この大舞台でコレはないかもしれんけどさ。
「なんだー?もしかして動けねーのか?おいおいそりゃーねーだろ。そりゃー果てしなくだせーぞ、おめー?」
苦笑、というか豪快に笑いながら杉原。
「喧しい小僧が。誰が動けぬなどと申したか」
いや、実際動けないのじゃがな。動けてもそれで終わりみたいな。
つーかそれはダメだろ。なにほのぼのしてんの儂?
ここで終わっちゃダメなんだって。
「ぬおおぉぉぉ!」
悶えながらズキズキと痛む体を無理矢理にでも起き上がらせる。
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