226人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふぁーぁあ、わふ」
「なに寛ちゃん、その気の抜けたあくび」
レッスンの合間の休憩時間、寛子とスタジオの端でまったりと過ごしていると隣に座っていた寛子が大きな口を開けてあくびをする。
「んー、だって眠たいんだもん…」
口を尖らせてごしごしと眠たげに目をこする。
こんな姿を見るとやっぱり末っ子だなって思って頬が緩むのがわかる。
「昨日、何時に寝たの?」
「昨日?うーんと…何時だろ?気が付いたら朝だったんだよね。」
「え?いつ寝たのかもわからないの??」
「うん。あ、でも今日の朝弟が昨日用事があって寛子の部屋22時ぐらいに行ったらもう寝てたって言ってたからそのくらいかな?」
「…朝目が覚めたって、何時だったの?」
「うーん、10時ぐらい?」
「…ちょっと、寛子12時間も寝てたんじゃない!なのに、まだ眠たいの?!」
「え?うん。だって、寛子いくら寝ても寝たりないから。」
当たり前のように、さらっと言ってのける寛子に呆れてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!