第二夜

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写真を撮るのはかつての趣味だった。 かつて‐と表現したのは言葉の通り、過去の趣味となったからだ。 今は撮りたいとも思わない。 写真にハマったのは社会人になり、車であちこちを移動できるようになってからだ。 もともと、景色を見るのが好きだった。 それは実に様々な景色だ。 山から見下ろす景観、夜景など、あらゆる景色だ。 だけど…いつからだろう…写真を撮るのが怖くなったのは。 最初は気にも留めなかった程の小さな小さな違和感。 やがてそれは、大きな違和感となり、恐怖へと変わる。 写真には必ず『目』の様なものが映っていたのだ。 場所も時間もバラバラなのに、それは必ず映り込んでいた。 しかも、写真を撮った順にそれは鮮明になっていっていた。 俺は気味が悪くなり、写真を辞めようと思い、カメラを机の奥にしまった。 だがその数日後、写真が趣味だった事を知っていた友人から電話をもらった。
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