第二夜

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恐怖が俺を支配する。 あの瞳は、俺が視線をズラした先に必ず現れる。 半狂乱になりながら、俺は必死に山を降った。 だが、余りにも冷静さを欠いていた為か、俺は足を滑らせ山道を転げ落ちた。 どれくらい転がったのかは解らない。 だけど、地面に倒れこんだままで転がって来た道を見てみれば、散乱した道具が遠くに見えた。 そして…あの瞳が目の前にあった。 何度もまばたきをしながら俺を見ている。 そこからはからは何の感情も見て取れない。 俺が覚えているのはそこまでだ。 どうやら気を失い、紅葉狩りの登山者に助けて貰ったらしい。 目を覚ました所は病院のベッドの上だった。 それ以来、俺はカメラを持っていない。 あの瞳は一体何だったのか、目的はあったのか。なに一つ解らなかったからだ。 はっきりしているのは、今でもマレにあの瞳が俺を見ていると言う事だけだ。
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