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「私歌下手くそだから誰も聴いてくれなくて・・・。誰かに聴いてもらいたいから歌ってるってわけじゃないんだけど、でもなんだか寂しくてさ。そしたらあのお店から君がいつも見てくれてることに気がついてつい嬉しくなっちゃったんだ!それで調子に乗って手振っちゃったの!アイドル気取りかよって感じだよね!!」
「いや、正直嬉しかったです。シカトしちゃったのはつい・・・、なんか恥ずかしくなって、すいません。」
「あやまらないでー!それにそんなに畏まらなくていいのに!ねえ!君の名前はなんていうの?」
「俺ですか!?俺は謙太郎って言います。」
「なるほど!じゃあケンちゃんだね!私は有希っていうの。
あ!ほら、雪に変わったよ!!」
そういって彼女は歌の時と同じ屈託のない笑顔で僕を見た
僕の心臓は一瞬止まったかのようにドクっと大きな音をたてる
あの叩きつけるかのように振っていた雨は嘘のようにまるで魔法のように雪へと変わっていた
雪の中での彼女の笑顔は今までで1番の輝きを放っていた
まるで雪に愛されているように
彼女は雪の中で輝いていた
今年最初の雪は僕達の出逢いを祝ってくれていたのかな?
それとも
君が僕にくれた贈り物?
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