暖冬

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僕は有希と並んでいつものレンガ通りの道を駅へと向かい歩いていた さっきまで降り続けていた雪もだいぶ弱まり傘を差す必要もなくなっていた 有希は小さな身体に大きなギターを背負っていたため歩くのが少しきつそうだった 「大丈夫?ギター持とうか?」 「大丈夫。ギターは私の大切な宝物だから自分で持つって決めてるから。心配してくれてありがと。」 そういって有希はまたあの笑顔を見せた 僕は彼女のペースに合わせてゆっくりと歩いた なんだかペンギンみたいに歩く有希の姿はものすごく愛らしかった 「雪、積もらなかったね。残念だなぁ。」 「雪好きなの?」 「うん。大好き!私の地元は冬は毎日雪だし!東京は雪が降らないからなんだか寂しいよ。」 「俺は寒いから雪は嫌いだなぁ。有希は東北の生まれなの?」 「私の地元は北の果てだよ!だから東京の寒さなんてへっちゃらだよん!」 「じゃあ有希の地元はいつも景色が真っ白なんだね。」 「そうだよ。いつも真っ白!真っ白な道に足跡をつけていくのが好きなんだー。東京は雪降っても積もらないもんね。」 「そうだね。なかなか積もらないよね。」 「つまんないよなぁ。」 そういって頬を膨らます有希に思わず笑ってしまった
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