暖冬

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そんなたわいもない話をしていると駅までの道のりもほんの一瞬かのように時が経っていた 「今日はわざわざありがとね。」 「いえいえ。今日はすごい楽しかった。」 「私もめちゃくちゃ楽しかった!それじゃあまたね!」 そういって手を振り有希は改札へと歩きだした 「ねぇ!」 まるでアニメみたいに飛び上がるようにびっくりする有希 「来週もギターやるんでしょ!?」 「うん!」 「見に行ってもいいかな?!」 「うん!!」 いつもみたいに有希は笑って頷いた 「歌聴かせてね!楽しみにしてる!おやすみ!」 「ありがと!!おやすみなさい!!」 そういって大きく手を振る有希はものすごく可愛く見えた 改札の奥へと消えていく有希を見ながらいろいろな感情が廻ってくる どうしてだろう 今まで声をかけることさえ出来なかったのに 有希の前では自然体でいれて 積極的になれる自分がいて なんだか改めて驚いている 僕にとって今日という日は歴史的一歩を踏み出した日であり 一生忘れることのない いや 一生忘れることのできない日となった
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