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その日以降
僕の頭の中はあの子のことでいっぱいになり
どうにかしてもう一度会いたい
ということばかり考えていた
その結果行き着いた答えが
あの喫茶店に毎日通うということだ
仕事が終わると一目散に会社を飛び出し
あのレンガ通りのお洒落なカフェへ足を運び
毎日一杯のコーヒーで終電ギリギリの時間まであの窓際の席に居座り続けた
しかし彼女は一向に現れず
いつしか暇潰しのために購入したミステリー小説は真犯人を追い詰める主人公の決め台詞が炸裂していた
もう会えないかも
そう思うとものすごく悲しい感情が込み上げてきた
それでも信じ続けた僕に奇跡は起きた
彼女に出逢って1週間が経ったその日
ついに彼女は姿を現したのだ
涙が出るほど嬉しかった
その日も彼女は1週間前と変わらない素敵な笑顔で
何よりも歌うことを楽しんでいるようにキラキラと輝いていた
この日も僕は一瞬も目を離すことなく
彼女の笑顔を見つめていた
なぜかこの一時が幸せだと感じていた
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