すれ違い

2/2
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
あれは…忘れもしない中学三年の10月10日の午後7時頃。 部活が終わったあと、初めてできた彼女の誕生日だったので。初めてプレゼントをして彼女がものすごく喜んでくれたのが嬉しくて…スキップしそうな勢いでルンルン気分で家に帰る途中。家から100㍍ほど手前にある、曲がり角の近くでの出来事でした。 家に向かって左側は住宅が立ち並び、右側は墓場や茂みや木々が立ち並ぶ場所。薄暗く普通の人なら気味悪いくらいですが、産まれ育った場所なので、僕には見慣れていました。 曲がり角を左にまがった時…生温かい風が吹いて、急に静かになりました。 …あれ?… 風は吹いてるのに、木々や草は揺れてない… 変なの… と、別に気にしてなかったんですが、 ふいに、道の端に捨てられてたチュッチュ棒(真ん中でパキって割る棒アイス)の空になった包みが、風に吹かれひとりでにコロコロコロコロ…と、足の先に転がってきました。 と… その時! 急に動けなくなり! なんで?!あれ?! と、…前を見ると… 人の形をした空気…というより…透明の人…映画でいうとプレデターみたいな感じの ナニカガ ボクヲ通り過ぎていきました… わかりますか? 僕を 通り過ぎていったんです ナニカガ体を通りぬける時、触れ合った部分から鳥肌が一気に背中まででてきて… 通り(透り)抜けた瞬間。僕は生まれて初めて道のど真ん中で腰を抜かしました。 金縛りは解けたんですが、膝がガクガクして、思うように立てず… 左側にある住宅の塀に手をあてながら、とにかく逃げよう!逃げよう! と、その事だけを考え必死に家に帰りました。 真っ青な顔でヨロメキながら家に帰ったので、家族に心配され、事情をありのまま説明したんですが。 うちの家族は…かなりの現実主義者なので、からかわれて終わりました。 結局…最高に楽しい一日が最悪に終わったので、僕はその日からしばらく憂鬱でした。 この体験みたいな事は、それ以来体験してませんが、他にもまだまだあるので…次回をお楽しみに…
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!