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崖の近くの茂みから、お化け役の女の子が
「きゃあああああああ!」
っと、向かってきたので、隣の異国人も一緒になって「きゃあああああ!」
って驚きました。
と、そこまではいいんです。
ただ
お化け役の女の子がこっちに走ってくる時に、女の子の右肩側から見える崖の先に、白いワンピースを着た髪の長い女性が真っ暗な海の方へ落ちていくのが見えました。
それは自殺するというよりも、すごく軽い足どりで、まるで水溜まりにでもピョンってするみたいにあっさりした動作でした。
お化け役の茂みに隠れてた女の子は、濡れた白い袖の女の人に足首を掴まれた。と、泣きながら話してました。
隣のペアの異国人は何も見てないけど、とにかくお化け役の女の子の表情が怖かったらしくて泣いてました(なんて失礼な。)(笑)
女の子二人に泣きつかれ、身動きとれない状態で見てしまった光景。
僕は固まったまま動けませんでした。
二人の泣き声を聞き付けて、キャンプの責任者達も集まり、一旦肝試しは中止となりました。
崖の下からは何も発見されず…
俺と、お化け役の女の子の気のせいって事で事態は収まり、さらに盛り上がりながら肝試しも無事終わりました。
僕は今でも思うんですが、あれが霊ではなかったとしたら…って、考えるとめちゃめちゃ怖いんです。あんなに楽しそうな足どりで、崖に飛び込む人…本当に怖いです。
だから、気のせいだったと思うようにしてます。
高校三年の夏の出来事でした。
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