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『ふぁ…─…』
んー…ッと伸びをして起きる魁。
『さ、て…』
(ベル様の所いくかー…)
そう思い魁は着替え始めた。
────────
上着を着て鉢巻きを結んだら出来上がり。
『今日も1日頑張るぞー!!』
と、意気込むとトントン、とドアがノックされた。
『?はーい』
扉を開けるとそこには白い服を真っ赤に染めるベルがいた。
『ベル様?!その血は…怪我でもしたのですか!?』
「ししっ」
魁が訪ねるとベルは泣きそうに笑った。
『べ、る様…?』
「なぁ…カイ」
俯き手をぎゅっと握るベル。
「オレに着いてきてくれる?」
『…勿論!ベル様がどんなに罪を犯したとしても、ボクはあなたの側に!』
魁は全てを悟った。
ジルが死んだ、…と。
魁はベルの冷たい手に自分の手を重ねて握り締める。
「…あり…が…と」
小さい声だがベルは確かにありがとうと言う。
『王様と王妃様に御別れしましたか?』
と魁が聞くとベルはコクン、と頷いた。
『では行きましょうか』
ベルの手をひいて"翔(フライ)"のカードを発動させる。
───────
『まずは雇い先を探さなきゃなりませんねー』
んー、と考えているとあるチラシが目に入った。
『*ヴァリアー幹部募集中*─君もカッコイイ暗殺部隊になってみないかい?尚○月△日にオーディションを行います!住所は、◎◇ー◆■△★─────ってこんな軽いんかい。』
「ししっ、とりあえず行ってみよーぜ!」
面白そーだし、と笑うベルに魁は笑みを溢した。
(ベル様は今八歳…これが運命を変える…。)
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