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「やっぱり唯に似てるな」
まじまじと私を見た哲哉くんは、分かりきったことを言った。
そりゃ双子だから似ているのは当たり前だ。
「似てますよ。似てなかったら双子じゃありません」
「あはは。でも性格は、ちょっと違うよね」
私が言った後に唯は言う。
言われたら、性格は確かに違うかも。
私たちはちょっと話をしてから別れた。
唯たちが一階にいたから、私と千明は、二階へと向かう。
「びっくりだね~さっきの男の子唯ちゃんの彼氏かなぁ?」
「違うんじゃない?唯からはそんな話聞いてないし」
「そうなんだ~」
「うん」
「でも唯ちゃんの好きそうな感じの、男の子だったことない?」
「・・・」
確かにそうかもしれない。
唯は、いつも友だちから好きになることが多い。
唯が哲哉くんをすきになるのも時間の問題な気がした。
この時それが、少し嫌だって感じた。
なんでかって?
私の片割れでもある唯が、私の知らない人ともしも付き合ったりしたら…。
やきもち?
うーん何か違う。
何かよく分からないけど…。
唯だけ楽しそうなのが、うらやましいのかも。
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