流れ星

39/42
2283人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
「…あのね。ほんとは、前から言おうって思ってたんだけど、言うタイミングがなくて言えなかったんだ」 「うん」 緊張してか、寒いせいか、足なんてガクガクしてきた。 でも、貰ったオルゴールをギュッと握り締めて気合いを入れる。 「ほんとは、こんな事言う資格なんてないんだけど、最後まで聞いてね」 哲哉が告白してくれた時、哲哉を傷つけてしまったよね。 あの後、いつも一緒にいた哲哉が私から離れていくと感じた時、それが嫌だと感じたの。 あの時、感じたこと。 今、思ってること。 うまく私は喋れてない気がするけど、哲哉に話す。 うん、うんと、あいづちを入れながら哲哉も返事をしてくれる。 あの頃の私は、自分の気持ちになんて気づいていなかったんだ。 恋は、始まっていたのに。 「私は、哲哉のことがすきです」
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!