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「…あのね。ほんとは、前から言おうって思ってたんだけど、言うタイミングがなくて言えなかったんだ」
「うん」
緊張してか、寒いせいか、足なんてガクガクしてきた。
でも、貰ったオルゴールをギュッと握り締めて気合いを入れる。
「ほんとは、こんな事言う資格なんてないんだけど、最後まで聞いてね」
哲哉が告白してくれた時、哲哉を傷つけてしまったよね。
あの後、いつも一緒にいた哲哉が私から離れていくと感じた時、それが嫌だと感じたの。
あの時、感じたこと。
今、思ってること。
うまく私は喋れてない気がするけど、哲哉に話す。
うん、うんと、あいづちを入れながら哲哉も返事をしてくれる。
あの頃の私は、自分の気持ちになんて気づいていなかったんだ。
恋は、始まっていたのに。
「私は、哲哉のことがすきです」
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