「序章」倦怠

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 全然惨めじゃないし、もったいないなんて感情なんてさらさらない。 高二だし? それなりに遊びだってしってるし。 学校じゃ経験値が女の価値みたいな空気でしょ。 だから普通に学校をさぼってダチのケンゾーの家で、ウーロンハイで軽く酔って、の流れ。 それ以上でも以下でもない。 ケンゾーは身を屈めてコンドームを取りながら、 「ちょっと。ちょっと待ってな、ナチ、」 と早口で言う。 滅茶苦茶驚いたのは、多分、いや、90パーセントの確率で、コイツは童貞だったことだ。 イクときに「イクー」と叫びやがったとき、その確信と共に「マジやめて」と目を瞑った。
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