拓馬の想い

2/32
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
「だ~れだ?」 俺は不意に目隠しをされた。 でも、この声は誰だかわかる。 「くだらない事するな」 「さて、私は誰でしょう?」 俺は静かに息を吐き出した。 「マネージャー」 「おしい!私の名前は?」 「飯田麻結」 「あったり~」 俺の視界が元の明るいグランドへと戻る。 麻結は、静かに俺の隣に座った。 しばらく俺達は何か話すわけでもなく、ただグランドを眺めていた。 しかし沈黙を破ったのは麻結だった。 「五十嵐君、何してるの?」 「別に・・・」 「あっそ、聞かなくても何考えてるかなんとなくわかるけどね」 少し機嫌が悪くなったのか、ぶっきらぼうに麻結は言ってきた。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!