朋哉の想い

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「もう少しで退院だね」 「はい、ありがとうございます」 俺はまた頭を下げた。 「どうかしたんですか?」 郁哉が男性に質問をする。 「はは、特に用事はないよ。朋哉君が来てるって言うから顔を出したんだ」 この男性は、この病院の院長。 「少し話をしたいんだが、どうかな?」 「はい、大丈夫です」 「じゃ、院長室に来てくれ」 そう言い残し、院長は病室を出て行った。 俺はゆっくりと椅子に座った。 「にーちゃん、ごめんね」 郁哉が俯きながら話しかけてきた。 「どうした?俺に謝る理由ないだろ?」 郁哉は首を左右に振る。 「だって、僕のせいなんでしょ・・・」 少し涙ぐんでいるようだ。
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