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俺は郁哉の頭をくしゃくしゃと撫で回す。
郁哉は俺になされるがままの状態になっている。
撫で回す手を止め、今度は優しく頭に手を乗せた。
「ばーか!何でお前のせいなんだよ?前から違うって言ってるだろ?」
「だって・・・」
ポタポタと布団の上に涙を落としている。
ぎゅっと郁哉を抱きしめる。
「泣くな!絶対にお前のせいじゃないから」
「ご、ごめんね・・・、にーちゃん」
郁哉も俺の背中に手を回してきた。
その姿に俺は少し力を入れて、抱きしめた。
「もう二度と謝るなよ?今度謝ったら怒るかなら!!」
「うん、わかった」
郁哉を抱きしめていた手をゆっくりとほどく。
郁哉は涙を流しながら、鼻をすすっていた。
「あー、泣くから男前が台無しじゃないか」
頬を伝っている涙をタオルで拭う。
そして俺は脇机に置いてあるティッシュを取り、郁哉に渡す。
受け取った郁哉は、思いっきり鼻をかんだ。
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