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「にーちゃん、ありがとう」
「よし、郁哉は笑顔が一番いいぞ」
歯を見せ、豪快に笑った。
郁哉も俺の顔を見て大きく口を開けて笑った。
「じゃ、今日は帰るな。また来るから」
「うん、でも無理しないでね?」
「お前に心配されない程度にやってるよ」
後ろ向きでひらひらと手を振った。
「にーちゃん!」
「ん?」
俺は脚を止め、振り返り郁哉を見る。
目を細くして郁哉が笑った。
「僕、にーちゃん大好き!みんなに自慢したいくらい、にーちゃんかっこいいよ」
「ばっ、何言ってんだよ!」
俺は照れた。
弟の郁哉から褒められると、余計に照れてしまう。
「本当にそう思ってるからね!」
「わかったよ、ありがとう」
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