ノラの一日

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我輩は猫である。 …別に、夏目漱石のパクりではない。 第一、かの文豪の猫は飼い猫だが、我輩は野良猫だ。 名前は「まだ」どころかこのままでは一生つかない。 しかし我輩はそれで良い。 人間に付けられる名前などどうせロクなものではないし、欲しくはない。 …強いて言えば私の名は「ノラ」だ。 我輩を見た人間は皆、我輩をこう呼ぶからだ。人間から呼ばれる言葉を「名前」と定義するのであれば、我輩の名は「ノラ」である。 我輩と同じ名前の猫はこの町にいくらでもいるが、構わない。 我輩は我輩だ。
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