ノラの一日

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「あなたもいつまでも人間を毛嫌いしていないで、少しは懐いてあげたらどう?」 …ああ、また始まった…。 彼女の話は長い。 今すぐ退散したいような気もするが…ちょうど暇をしていたところだし、まぁ、少しくらいなら、良いか。 我輩は伸びをし、そこに座った。 「人間に飼われるのも悪くはないわよ。 お部屋の中は暑くも寒くもなく快適だし、体に異変があればお医者様に連れて行ってくれるし、ご飯は美味しいし…」 言って彼女はふくよかな腹を我輩に見せ付けた。 …さすが飼い猫は、人間の流行というものをよく分かっている。 その腹は今、人間社会で流行の「メタボ」というヤツである。 一体毎日どれ程美味い物を食っているのやら。 一方、我輩のお腹はぺったんこ…。 …ああ、肉食いてぇ。 「そうそう、聞いて! 隣町のノラさんにはついに出来たのよ!!」 我輩の空腹などいざ知らず、彼女は言葉を続けた。
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