0人が本棚に入れています
本棚に追加
ああ、腹が減ったな。…町の残飯でもあさりに行くか…。
この町は田舎でも都会でもない。ちょうどその中間のような場所だ。
高い建物はまばらにあるが、まだまだ低い建物の方が多い。
ショッピングデパートもあるが、少し外れた先には商店街があり、民家が建ち並ぶ。
道は塗装され、建物の隙間を縫うようにして緑が植えられている。
決して広くはないが、公園も存在する。
…まぁ、人間の町の外観など、どこもこの様なものなのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
どちらにしろ、我輩はあまりこの町の外に出たことがないので詳しくは知らない。
我輩に言える事はただ一つ。
…この町の物は全て、人間の物だということだ。
猫の物はといえば、人間が捨てた物ぐらいしかない。
だから我輩は残飯をあさりに行くのだ。
ただ、それさえもできるだけ人間に見つからないようにした方が良い。
全てがそうだとは言わないが、人間によっては捨てた物にさえ未練があるのか、怒って追いかけてくるからである・・・。
最初のコメントを投稿しよう!