ノラの一日

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ああ、腹が減ったな。…町の残飯でもあさりに行くか…。 この町は田舎でも都会でもない。ちょうどその中間のような場所だ。 高い建物はまばらにあるが、まだまだ低い建物の方が多い。 ショッピングデパートもあるが、少し外れた先には商店街があり、民家が建ち並ぶ。 道は塗装され、建物の隙間を縫うようにして緑が植えられている。 決して広くはないが、公園も存在する。 …まぁ、人間の町の外観など、どこもこの様なものなのかもしれないし、そうではないのかもしれない。 どちらにしろ、我輩はあまりこの町の外に出たことがないので詳しくは知らない。 我輩に言える事はただ一つ。 …この町の物は全て、人間の物だということだ。 猫の物はといえば、人間が捨てた物ぐらいしかない。 だから我輩は残飯をあさりに行くのだ。 ただ、それさえもできるだけ人間に見つからないようにした方が良い。 全てがそうだとは言わないが、人間によっては捨てた物にさえ未練があるのか、怒って追いかけてくるからである・・・。
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