ノラの一日

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我輩達を飼っていた人間は言っていた。 我輩達を全員飼える程の「お金がない」と。 「お金」、というのが何なのか、猫の我輩にはよく分からないのだが、人間達にとっては凄く大切な物であるらしい。 まるで、それがないと生きていけないようかのような口ぶりだった。 なんとも大袈裟である、と言えるのは、我輩が猫だからだろうか? どうやら人間とは、我輩の想像以上に生きる事が大変な種族であるらしい。その点、猫は気楽だ。 自分の身一つあればどこへでも行ける。 どこで何をしようが、自由だ。 ああ、猫に生まれて良かった! ぐぅ~・・・。 ・・・・・・ああ~訂正。 我輩とて、腹の虫には勝てん。 残飯ではなく、本物の肉や魚が食える――人間が、羨ましい。 ああいつか、猫の時代が来れば良いなぁ。
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