『桜華』

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「君には……。」 「?」 「負けたよ…。」 「高槻 成次(タカツキ ナリツグ)は、東月 柚子香を愛すことを誓う。」 「高槻さ…んふぅ。」 誓いの言葉とともに彼女の唇に唇を重ねる。 柚子香は、驚きながらも受け入れてくれる。 その姿が愛しさを堪らなくさせ深いキスを落とす。 「……ん。はぁ…た…。」 柚子香が喋れないほど、俺は、彼女の唇を捕らえたまま離さない。 ピクン 「?」 何かが跳ねた気がして彼女の顔を見ると、彼女は真っ赤になりながらクタッと身体をたらしていた。 「柚子香…!!」 直ぐに柚子香を抱き上げ自分の家まで運ぶ。 きっと黒の王がこんな事をやって慌てている姿を見たら皆、笑うだろう。 30分後 柚子香のおでこのタオルを換えようとした時、柚子香が目を覚ました。 「…高槻さん…?」 「すまない…。やり過ぎた。」 謝ると、柚子香は、顔を真っ赤にさせ首を左右に振る。 「だが…。」 「高槻さんの仮にもお嫁さんが文句など言えません。…嬉しかったんですから。」 柚子香は、顔を真っ赤にさせたまま、ヘヘっと笑う。 俺が頭を撫でると、 「高槻さん、柚子さんってどんな人だったんですか…?」 俺の肩によっ掛かりそう尋ねる。 「…フッ。」 いきなりの事で俺は、笑ってしまう。 多分、柚子の生まれ変わりの柚子香がある意味自分自身の事を尋ねているという点に笑ってしまったのだろう。 「何で笑うんですかぁ…。」 当然、柚子香は、知らないので頬を膨らまして抗議する。 「柚子香は、生まれ変わりって信じるか…?」 「信じます。」 スパッと即答される。 「即答だな。」 笑いながら柚子香の頭を撫でる。
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