『桜華』

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「柚子は、大事な人なんだ…。」 「はい…。」 ズキズキと胸が痛むけど、聞きたいと思った。 高槻は、柚子香の手に自分の手を重ね話を続ける。 「柚子香は、柚子の生まれ変わりなんだ。」 「はい。………へふ!?」 あまりにもいきなりな言葉だったので変な声を出してしまった。 高槻は、その姿を見て大爆笑している。 私は、つい真っ赤になり高槻を軽く睨んだ。 「クッ…。けど本当なんだ。」 高槻は、笑いを堪えると真剣な顔付きになり私のおでこにキスを落とした。 「柚子香を大事にしたい。俺達は、一人の花嫁を愛しつづける。キスでする契約でなく心を繋ぐため。俺達は、一人しか…愛せない。」 すると切なげに高槻は、微笑み柚子香を優しく包むように抱きしめる。 「高槻…さん?」 「成次でいい。」 そう言って成次は、私の耳元で、 「君だけを愛している。」 そう甘く囁いた。
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