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「あ…、東」
噴水のベンチに腰掛けて
ゲーム片手に
ニッコリ笑う
東 恵司 が そこにいた。
「懐いた猫さんをあんなに怒らせてよかったの?」
無関心なくせに
からかうように
問い掛けてくる。
「相談出来るような話でもないから…な」
答えると東がベンチから
立ち上がり
こちらにゆっくり歩み寄り
「そりゃ、薫は猫さんの気持ちに気付いているからね♪でも…猫もバカじゃない。きっと気付いてると思うけど?」
いつも何に対しても無関心で
ゲームにしか興味がないくせに
………妙に鋭い…
「それでも…言えない」
手をきつく握り
力強く答えると
東はクスクスと笑い
「いつまでも憧れを追って、本当に大切なモノを失っても…知らないよ?」
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