15人が本棚に入れています
本棚に追加
有樹が告白してくれた時
すぐに答えなんか
出なかった。
そりゃ、男同士ってのもあるし
なにしろ、プリンスとしての仲間で友達で…ライバルだったから。
それに、有樹は…誰よりも俺につっかかってきて嫌われてるもんだと思っていたから。
「出てこいよ…」
部屋の中から出てこない
有樹に問い掛けると
カギが解かれ
ノブがゆっくり動き
扉があいた
「入って………」
電気を点けて
警戒を解こうと
優しい微笑みを浮かべた有樹。
廊下だと
話してくれない気がして
招かれるまま
部屋に入った。
「あの…………さ…」
本題へと話しを進めるため
俺は少し躊躇いがちに
口を開いた。
すると
「ごめん…。」
有樹が一礼して謝る
「え………?」
有樹の言葉にマヌケな
声をあげると
有樹をみつめた
「押し付けてたよな…。日和を困らせたかったわけじゃない。もし、嫌いでも……このまま、ぎこちなくて会話さえ許されないなら…やめるから…。でも本当に日和のこと…」
有樹の声は震えて
雫が零れた
「…ゆき………」
有樹の目から次々に零れ落ちる涙をそっと手で拭った
「ひ……より…?」
驚いた表情で
俺を見つめるた。
初めて見た有樹の涙…
それは
俺のために流した涙…
「有樹…ちょっと待ってて♪」
そういうと俺はリビングに
向かうため
有樹の部屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!