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いつもと違う。
そういえば…有樹の部屋に
二人きりって滅多に…
「いつになったら、気付くんだ?」
耳元で有樹が
少し唸るように呟く
「…へ…?……ンッ」
情けない声を遮り
何か柔らかいものが
唇をふさぐ
有樹のつけるラベンダーの
フレグランスが優しく薫る
今…何が起きているのか
混乱して…
唇から伝わる温度に
戸惑いを隠せなかった
唇が僅かに離れると
「わかんない?俺は…いつまでも気長に待ってられる程、お人よしじゃないんだ。いい加減気付いてよ。」
甘い声で囁くと
少し苦い笑みを浮かべ
優しく俺の身体を包む
「………ゆ…き?」
いつもは有樹に触れるのなんか
緊張したりしないのに
何故だが震える指先で
有樹の後ろに手を回して
「肱高にも…薫にも…触れさせたくない。」
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