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ハッキリと俺に告げた。
どうすればいい?
何が起きてる?
嘘だ…。
有樹はいつもこうして
人をからかって…
「…う………そ…」
振り絞る声に
有樹は少し眉をよせ
もう一度
唇を近付ける。
「ィ…ャ………っ!」
扉に身体を
ギリギリまでつけ
戸惑っていた…その時。
「ゆーきー♪電子辞書…」
春気がタイミングよく
扉を開けた。
扉があくと
身体をあずけていたため
春気の腕の中に勢いよく
はまった。
「あれ?日和?どうしたんだ?」
うっすら瞳に溜まった
涙に気付くと
有樹に視線をうつした
「有樹?日和に…何か…」
「関係ないだろ…」
春気の言葉を遮ると
電子辞書を春気に
投げ付けるように渡した。
「早く出てけよ…」
機嫌悪く吠える
「日和…」
まだ状況に対応しきれない
俺の名前を
優しい声で有樹が呼ぶ
「嘘じゃねーから」
寂しげに笑う有樹を
ほっとけない気がした
コクリと頷いて部屋を出ると
春気に手を振り
有樹の向かいの自分の
部屋へと 入った。
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