高校生

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「ねえ。 今 あの花のある机に誰か 座ってなかった?」 なにげない 質問に私はひきつる。 「私もそう 思ったけど…きのせいじゃなかったの?」 今度は 二人で教室を見る。誰もいない。 二人で 同じ光景を見ていたのだ。 言うまでもなく 全速力で 音楽室まで走った。 16才の死は あまりにも早く突然だった。5月のある日の夕方。 気持ちの良い風が吹いていた。
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