看護師の不思議な実話

匂い

申し送りのあと 206に入る。相方の Ｋさんは すでに中にいた。私がその206に入ると 線香の匂いが立ち込めている。

「なに？ 線香臭い。線香たいたの？」

「そうでしょ。匂うのは私だけじゃなかったのね。」
Ｋさんは私に同意を求める。

気のせいではない。まさか なにか燃えてないか 二人で確認するくらい 匂うのだった。

廊下や 他の部屋も確認するが 206だけが線香臭い。

ま～いいか

仕事をつづける。

その日は 206に何度入っても線香の匂いはしたが そのうち気にもならなくなっていった。