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それは、以前魔王ルシファー達が、冥王ファエルを倒したその後。
人間界から遥か離れた、かけ離れた世界。天界において
「……ファエルが、殺られただと?」
「はい、実験祖体壱と弐、また参がファエルを殺した、との事……」
天界の中に聳え立つ、一つの城内、その中の一つの部屋で二人の男女が机を挟んで何かを話している。
机の上にはルシファー、ルト、ルキフェルの顔写真が貼られており、奥に座る女が眉を潜めてそれを見つめた。
「……祖体零の開発は?」
「着々と、あと三年ほどで造れそうです」
相手に頭を下げ、膝折の体制の男が言った言葉に、女はニヤリと笑い、「そうか」と一言言うと立ち上がって外を見た。
「もうよい、下がれ。それと、アルファロメオには……」
「わかっております。水面下で計画を進めておりますので、ご心配なく」
そう言い、部屋を出ようとする男。だが、女がそれを止めた。
「そうだ、完成次第アルゲマイナーを天界に。利用価値がある」
「……承知」
バタン、とドアが閉まる音が響く。
その余韻が無くなったころ、部屋に居た女が突然笑いだした。
「ふふふ、ハハハハハ!
面白い……ファエルを殺るとは、とことんまで私に歯向かう気か、面白い……アハハハハハッ!」
狂喜にも似た女の笑い声は、延々とその部屋に響き渡っていた。
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