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黒田千秋、当時5歳
「明日天気になぁーれ」
勢いよく放った私の靴は、綺麗な弧を描いて、人んちの塀を軽々越えていった。
「やっばっ」
運よく(?)塀の下には隙間があり、私の靴が見えた。
でも、腕を伸ばしても靴には届かない。木の枝で試みても届かない。
『ちーちゃん、怪しいって……もう、諦めようよー…ちゃんと謝りにいこ?』
そりゃあね、怪しいわ。地面に這いつくばって、人んちの塀に手を伸ばしてるんだから。
泣きそうになりながら、正論を言ってくるのは、幼なじみの美藤ももこ。
私の両親とモモの両親も幼なじみだったみたい。
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